平成22年7月卒業者 体験談

本校卒業生がイギリス提携校を卒業

イギリスの提携校UCA芸術大学(UNIVERSITY for THE CREATIVE ARTS)に留学していた本校卒業生2名が、 今年7月に同大学を無事卒業し、BAクラス(=日本の4年制大学の修士課程にあたる)を取得しました。
卒業したのは、2007年9月に入学した大須賀 侑子さんと、翌2008年9月に入学した曹 恩恵(ジョ・ウンヘ)さんです。
両名はともに2006年本校イラストレーション科を卒業後、本校の「留学支援制度(英語学習奨励費、奨学金の支給等)を利用し、UCAのIllustration Courseに入学しました。二人の喜びの声とイギリスでの留学生生活、大学で学んだこと、将来の希望等のレポートがとどきましたので紹介します。


大須賀 侑子さん





2006年3月 本校イラストレーション科卒後渡英。
2007年9月 UCA芸術大学イラストレーション科編入学。
2010年7月 UCA卒業、帰国。
同年9月 編集プロダクションに就職。


2010年7月9日、UCA芸術大学イラストレーション科の課程を修了し、無事に卒業証書を受け取ることが出来ました。 イギリスで生活したこの4年間は長い様で短く、私の人生においてとても貴重なものとなりました。日本語が身近に無い生活に困惑したり、クラスメイトや講師との意思疎通が上手く図れずに悩んだり、文化の違いに驚いたり…。慣れないうちは苦労したものの、周りの友達や先生達の協力もあって、一般課題や卒業制作、卒業論文を終わらせる事が出来ました。

イギリス生活にも慣れてきた2年目、3年目は、メイドストン(UCAイラストレーション科の校舎所在地)という田舎だからこそ感じる、時間の流れの穏やかさと、そのゆっくりした時間の中で自分の作品を作れる事がとても楽しく、幸せでした。もちろん課題には提出期限があるので、毎日がゆっくり過ごせるとは限らないのですが、しかしこれがロンドンから約一時間の田舎にあるこの校舎の良い所だと思います。2年次の課題の一つとして、メイドストンの街中を探索しスケッチしたりかわったお店の店主にインタビューしたり、それを記録として絵本にまとめました。言葉にすると単純な流れですが、絵本を一冊作るのに3ヶ月半かかりました。自分が「これをやりたい」と思った事を講師や教授に提案し、それに対してアドバイスを受け自分なりに発展させていく。何度も何度も先生やクラスメイトからダメ出しをもらっては直しての繰り返し。描いても描いてもOKをもらえない事が当たり前でした。しかし最終的に自分も、周りの人も納得させられる物が出来たときの達成感は大きく、こういった「アイデア出し、制作」→「訂正要求」の繰り返し作業も今となっては経験して良かったと心から思います。この学年の最後には全員でグループ展を開催するのが恒例となっています。ロンドンにあるギャラリーをみんなでお金を出して借り、搬入からレイアウト・ケータリングの手配など、すべて自分たちで考え動きます。この時、私はデザインチームに入っており告知ポスター・DMのデザイン等をメンバーと「ああでもない、こうでもない」と言いながら、何度も訂正案をもらいました。私は100%英語が理解できる訳ではなかったので、友達の言っている事がわからなかった時は、単語を拾ってただひたすら「こういう事?」と、ラフを何枚も描かされた事を思い出します。「言葉」というサポートが無いからこそ適切に、相手にわかりやすく絵を描く事が要求されていた事も、今となっては良い経験だと思います。 この時期に、自分の頭のアイデアが周りに上手に言葉で説明出来ずに自己嫌悪に陥ったりしました。しかし先生に「あなたの英語はイギリス人には劣るけど、だからこそ言葉に頼るより、イラストで人に伝えようとするその意識はイギリス人以上だよね。イラストレーションというものは、言葉無しで人に伝える手段だから、英語が上手く話せないことを悲しむ必要はないよ。」と言ってもらいました。これは私に「欠点も長所となりうる」という事を教えてくれたのだと思います。自分のコンプレックスもあまり気にならなくなり、もっと頑張ろうと思うようになりました。
最終学年では2つの卒業制作に加え、卒業論文、学生コンペ、ポートフォリオ制作、職業インタビューレポートなど、なかなか卒業制作のみに集中できる環境ではありませんでしたが、周りの色々な人のサポートもあり、なんとか全ての課題をクリアする事が出来ました。卒業展も色々な大学との合同で行い、イラストレーターの卵達と名刺交換もしてきました。

私生活においてもハロウィンやイースターホリデー、クリスマスといったヨーロッパならではのイベントも、日本の文化との違いを見られ楽しかったです。ホームステイ先で出会ったホストマザーと子どもたち、イギリスで出会って励ましあってきた日本人の友達、お酒とクラブが大好きなイギリス人の友達、いつもポジティブに元気づけてくれたり、たまに厳しい事を言ったりする先生たち。みんなが親切に助けてくれたからここまで来られたのだと思います。何度も何度も心配をかけてしまった両親と日本の友達、そして東京デザイン専門学校とアフィニティ(留学のコーディネートを行う会社)の方々のサポートが無ければ、この様な出会いや経験もありませんでした。今は、感謝の気持ちでいっぱいです。 卒業した今現在は、絵本作りの楽しさが忘れられず、エディトリアルデザインに関わる仕事をしていますが、自分が描くイラストのお仕事も受ける事が出来るようこれからも頑張ります。最後に、貴重な4年間を頂き本当にありがとうございました。



曹 恩恵(ジョ・ウンヘ)さん





2006年3月 本校イラストレーション科卒。
同年4月より 日本のゲーム・ソフト関連制作に入社。
1年間勤務の後、韓国に帰国。
2008年9月 UCA芸術大学イラストレーション科編入学。
2010年7月 UCA卒業、 韓国に帰国。


【留学した理由は?】

もともとイギリスのアートや音楽に興味があり、イギリスの大学のカリキュラムを知りたいと思っていました。TDA在学中にUCAの説明会に参加し、ぜひ入学したいと思いました。日本に来て、外国人の立場になり日本語と同様に英語の重要性も実感し、英語ができれば日本と韓国以外にも仕事の場所が増えると思いました。TDAで用意して頂いた「留学支援制度(英語学習奨励費の支給、入学時の奨学金制度 等)」にも魅力を感じました。

【UAC芸術大学での授業は?】

授業は毎学期、10週〜15週で作品を仕上げる長いプロジェクが中心でした。2年生(日本の大学の3年次)の最初は、先生から提示されたテーマで作業をしましたが、学期末最終課題では学生同志でチームを作りテーマを決めて作業を行いました。3年生になると、全てのテーマを一から全部決めてプロジェクトを進めることになりました。制作期間の間にワークショップを行ったり、外部から有名なクリエイターやディレクターが来て講座を開いてくれるので、自分も積極的に参加しました。大学の先生は、学生各々のプロジェクトがうまく進むために、関係があるアーティストを紹介したりアドバイスをくれます。また、毎週グループ・プレゼンテーションや個人相談が行われ、ここでも先生や他の学生から良いアイディアを貰うことができます。これによって自分の作品を全く違う目線で見ることもできました。UCAでの授業は個人の自主性が問われる内容となっています。自分自身の考えをまとめて伝え、それに対してアドバイスを貰い作品にフィード・バックすることを繰り返し作品制作します。また、作品制作のスケジュール管理を行うことも重要になります。日本や韓国での学習方法とは異なりますが、作品制作に対する幅は大きく広がったと感じています。

【イギリスでの生活で感じたことは?(感想等も含め)】

最初はすごく緊張しましたが、みんなやさしくて、私はあまり苦しい思いはありませでした。もちろんアジアと比べて考え方とか文化など大きい違いがありますが、個人的にあまり気にしない性格なので問題はなかったです。

【将来の希望(進路・就職等)は?】

UCAの入学前、日本のゲーム会社で一年間CGデサイナーとして仕事をしました。その後も韓国で英語の勉強をしながら、時折デザインの仕事をしていました。これは、自分のデザイン力が落ちるのを防ぐ意味とネットワークを広げておこうと考えたからです。UCA卒業後韓国に帰国してすぐに、知人からギャラリーのアート・ディレクターの仕事を依頼されました。自分のアイディアとかスキルも大事ですが、仕事はグループで行うものなのでコミュニケーション・スキルが大事だと思います。今回の仕事で、UCAで学んだコミュニケーション力が大いに役立ちました。たぶんこれは、どんな仕事でも一緒だと思います。これからは自分のアイディアとデザインを発揮できるものなら挑戦して、いろんな経験をしたいと考えています。

【後輩へのアドバイス等】

UCAは皆の前で発表する授業が多いです。完璧な英語を話す必要は無いのですが、自分が言いたいこと、自分の作品をちゃんと説明することができる英語力は必要です。まわりはアジア系の留学生であることを理解して、私の英語を聞いてくれたので心配することはないですが、やはり先生からのフィードバックやグループ・プロジェクトのとき、難しいかもしれないので英会話を勉強するのが大事だと思います。そして自分で全てのスケジュールやプロジェクトのプロセス管理が重要です。当然誰もやってくれないので、細かい計画を立て進むようにしたら留学生活がもっと楽になると思います。イギリスでの勉強は、考え方からいろんなことが違っていて新しい経験を積む良い機会になると思います。